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何度も見える1つの超新星

巨大な銀河団は、そのはるか後方にある天体の光を曲げる。この重力レンズは、遠くの同じ天体を何度も見せることがある。そして、それぞれの像は長さの異なる経路をたどるため、同時には届かない。背景の天体が爆発する星であれば、その像の間の時間差を測ることができる。銀河団の質量モデルと組み合わせれば、この時間差から、宇宙の膨張率であるハッブル定数が、通常の距離はしごとは独立に求められる。

このように繰り返し現れる超新星は、ほんの数例しか知られていない。最も遠いものは赤方偏移1.95にあり、予測される将来の像を待っている。トロント大学の藤本征史(Seiji Fujimoto)と66人の同僚が報告した新たな例は、その赤方偏移をほぼ2倍に更新する。

そこになかった点

VENUSサーベイは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って、レンズとなる銀河団を繰り返し撮影している。2026年7月3日、このサーベイは銀河団RXC J0018.5+1626を10のフィルターで観測した。2024年12月15日に撮られたウェッブの画像にも、それ以前のハッブルの画像にもなかった、小さくて非常に赤い点状の光源が現れた。その間に、何かが爆発したのだ。

チームは所長裁量によるウェッブの追加観測時間を獲得した。2026年8月17日、2回目の撮像と、深いスペクトルの取得が行われた。

超新星の位置を示した銀河団のカラー画像。次の像の位置を示す破線の円と、2024年、2026年7月、2026年8月の3枚の小さな切り出し画像。

発見時の銀河団。かぎ括弧がSN Heliosを示し、破線の円は2〜6年後に次の像が現れると予測される場所を示す。右:2024年12月には何もなく、2026年7月に超新星が現れ、8月にはすでに暗くなっている。— 図1、Fujimoto et al. (2026), arXiv:2609.30440.

水素の指紋

スペクトルには、幅約7,900 km/sの強く幅広い水素アルファ線が見られ、その青い側にくぼみがある。膨張するガス雲に典型的な「はくちょう座P型」(P-Cygni)プロファイルだ。水素ベータ線とヘリウムの線も同じパターンを示す。結論は、赤方偏移3.34にあるII型超新星、つまり水素の外層を保ったまま中心核が崩壊した大質量星である。その外層は毎秒7,000〜9,000 kmで膨張している。

近くの超新星との比較から、このスペクトルは、星自身の時間で最大光度の27.5 ± 2.8日後のものと位置づけられる。最もよく似ているのは、急速に暗くなる超新星SN 2013ejだ。

2028〜2032年の再会

銀河団の質量を表す5つの独立したモデルが、この超新星が複数の像をもつことで一致している。観測された像の拡大率は5.3から25.1の間とされ、チームは約11を採用した。次の像は、発見から2〜6年後、つまり2028年から2032年の間に、どのモデルでもほぼ同じ場所に現れるはずだ。数十年前に、より早い像が現れていたとするモデルさえある。

SN Heliosは、赤方偏移2を超え、測定可能な時間スケールで将来の像が現れる、初めて確認された多重像超新星である。この種のこれまでの記録保持者より、宇宙の歴史で14億年早く爆発した。ケック望遠鏡による分光観測が計画されており、それによって銀河団のモデルが確定すれば、以前のレンズ超新星で達成された2〜4%と同程度の精度でハッブル定数を測定できると著者らは期待している。

見えないほど暗い母銀河

爆発の場所には、どの銀河も見えない。深い赤外線画像にも、輝線にも、ALMAによるミリ波にも写っていない。拡大率を補正すると、母銀河は紫外線の絶対等級で約−13等より暗くなければならず、この種の超新星の母銀河として知られているどれよりも暗い。これは、ごく小さな銀河ほど、形成される星あたりでこうした爆発を多く生み出すという考えを支持している。

赤方偏移16の偽物

最初に得られた色は、まったく別の物語を語っていた。2マイクロメートルより短い波長での急激な落ち込み、母銀河の不在、そしてより赤いすべての波長帯での検出は、赤方偏移約16の銀河の特徴のように見えた。チームは当初、これを有望な候補と考えた。だが3つの手がかりが、1日のうちにそれを覆した。「ドロップアウト」帯でのかすかな信号、隣り合う2つのフィルターの間の平らな色、そして何より、その光源が2024年には存在していなかったという事実だ。

この変装がいかに説得力のあるものだったかを示すため、著者らはフラックスを拡大率で割り、銀河モデルを当てはめた。答えは赤方偏移15.8で、赤方偏移10を超える確率は99.99%以上だった。超新星の実際のスペクトルは、その光の段差と水素の輝線が、どのようにして非常に遠い銀河を装うのかを示している。

左:赤方偏移15.8の銀河モデルで当てはめたデータ点。右:15.8付近の鋭い確率のピーク。実際の値は3.34。

レンズと追観測がなければ、SN Heliosは赤方偏移15.8の銀河として通ってしまうところだった。— 図6、Fujimoto et al. (2026), arXiv:2609.30440.

探索者のためのテンプレート

30〜31等級まで到達する深いサーベイこそ、こうした偽物が検出できるほど明るく、しかも自信をもって誤分類されてしまう領域だ。たった1つの銀河団の背後で1例が見つかったことは、レンズのない広域探索ではさらに多くの偽物に出会うことを示唆している。チームは、銀河を探す研究者が候補をふるい分けられるよう、このスペクトルをテンプレートとして公開する。2026年末には3回目のウェッブ観測が予定されており、超新星の次の出現に向けて時計が進む中、光度曲線を追跡する。

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